投資の基礎(数字編)ポートフォリオ

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ポートフォリオ

ポートフォリオについては、ほとんどの方が理解されていると思います。
世の中には、良い解説書も多数あるので、非常に書きにくいのですが、ここを通過しないと話がつながらないので、何とかお茶を濁します^^;;


ポートフォリオ概略

ポートフォリオの元の意味が「紙バサミ」で、証券の束を紙バサミで束ねたところから来ているというのはすでに有名になってますね。ポートフォリオはいくつかの保有証券を束ねて考えるという概念でもあり、また、最近では、ある個人の保有証券リストをポートフォリオといったりしています。
もともと、ポートフォリオという言葉が広く知れ渡ることとなったのが1952年に発表されたマーコウィッツによる「Portofolio Selection」という論文です。これに端を発して、いろんな研究がなされました。
まあ、あんまり高尚な話をしても仕方ないので、ポートフォリオにまつわる大きな議論は他の著書に譲って、ファンドの相関に絞ってポートフォリオを議論しましょう。

皆さん、ポートフォリオは大体理解されていると考えて結論だけまとめますと、、、

* 個別の株式のリターンとリスクのよりも、多数の銘柄を組み合わせた方が、リターンよリスクの関係が良化する。(リターンを維持しながらリスクが下がる)

若干、飛躍がありますが、だいたい、普通に言われているのは上記です。
ただ、これが成立するには、個別銘柄同士の相関係数が関係しています。
皆さんはすでにお分かりのことでしょうが、証券の相関係数が1のものばかりであれば、何銘柄集めても、リスクは小さくなりません。それは、前の章でお分かりのように、値動きが同じ銘柄を集めても、上昇するときはドカンと来るでしょうが、下落するときも同じくドカンときますので、総合のばらつき(リスク)は全く減少しません。
これに対して、相関係数が−1になる2つの銘柄を組み合わせた場合、片方が上昇すると、片方が下落し、といった具合にばらつきを打ち消しあってくれるので、リスクはゼロになります。
ただ、リスクが完全にゼロになるばあい、リターンもありませんので、意味はありませんが、ここでいいたいことはお分かりと思います。
中長期的に上昇しながら、目先の値動きの相関が負になる組み合わせならば、全体のポートフォリオのリスクは下がりますが、リターンは下がらない(個々のファンドの加重平均になる)ということです。


ポートフォリオのリスクと共分散

蛇足ですが、ここで言う、「分散」とは前に出てきたばらつきを表現する「分散」のことで、分散投資(銘柄を分散する)という意味ではありません。(言葉がかぶるので、良くないですね。)
aファンドの分散をVa、bファンドの分散をVbとして、aファンドの比率をA、bファンドの比率をB(要するにA:Bの比率で組み合わせ)とするとポートフォリオ全体の分散は、次のようになります。

ポートフォリオの分散=VaA2+VbB2+2×共分散×A×B

共分散は次のように表すことが出来ます。分散Vは標準偏差σの自乗ですから、Vをσを使って書き換える事が出来ます。

* ポートフォリオの分散=σa2A2b2B2+2×共分散×A×B

ここで、共分散は相関係数とおのおののファンドの標準偏差をつかって表現できます。

共分散=相関係数×σaσb  この式を元の式に代入して、

* ポートフォリオの分散=σa2A2+σb2B2+2×相関係数×σaσb×A×B    (ポートフォリオの分散の一般式)

このように記述できます。

ここで、ファンドどうし相関が極めて強く、値動きが同期していて相関係数が1場合は、上式はもう少しシンプルになります。

* ポートフォリオの分散=σa2A2b2B2+2σaσb×A×B

これを変形すると

* ポートフォリオの分散=(σaA+σbB)2

分散の平方根をとれば標準偏差ですから、両辺の平方根をとります。

* ポートフォリオの標準偏差=σaA+σbB

もうお分かりですね。上式は単純に標準偏差をファンドの組み合わせ比率で加重平均しているに過ぎません。

もう一度ポートフォリオの分散の一般式に戻ってみると、相関係数が1以外では、ポートフォリオの分散が小さくなる事がわかります。最小になる相関係数は−1ですね。

ちょっと式の展開が多くて難解でしたが、理解して頂きたいのは、以下の点です。

* 相関係数が1の場合は、リスク(標準偏差)は単純に加重平均で求められる。
* 相関係数が1より小さい場合は、単純な加重平均よりも全体のリスク(標準偏差)は小さくする事が出来る。

ポートフォリオを組むなどといいいますが、確かに、理論上はたくさんのファンド(銘柄)を引っかき集めてくれば、とりあえずリスク(標準偏差)が小さくなるのは間違いないでしょう。
しかし、少ないファンドで安定なポートフォリオを組もうと考えたら、相関の弱いファンドの組み合わせの方がより効果的ではないでしょうか。
次の章では、もう少し、ビジュアルに理解できるように例を使って解説したいと思います。
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