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相関係数(投資の数字編)

もう少し、相関について議論していきたいと思います。

散布図


相関のところでは、価格のプロットをお見せしましたが、ここでは、月次騰落率のプロットを示します。
ファンドは先ほどと同じです。
いまさら言うまでもない事ですが、ACM04とACM05は非常に強い正の相関を示していますが、ACM3との相関ははっきりしません。
これをもう少しわかりやすくするために、ACM04の月次騰落率を横軸にとり、ACM05とACM03の月次騰落率を縦軸にとった散布図を見てみましょう。


ACM04とACM05の散布図では、左下から右上にかけて、ほぼ直線状にプロットが並んでおり、相関が強い事が実感できますね。
一方、ACM04とACM03の散布図では、全体的にバラバラにプロットされており、これといった特徴が見当たりません。
こういう状態が相関が弱いという状態です。

相関係数の式

散布図のばらつき具合から「相関の強い弱い」は直感的にわかりますが、これを定量的に数値で表したものが相間係数です。 相関係数={(Ra1-Avea)(Rb1-Aveb)+(Ra2-Avea)(Rb2-Aveb)+,,,,,,+(Ran-Avea)(Rbn-Aveb)}/nσaσb

Ranはaファンドのn月における月次騰落率をあらわします。Rbnは同様にbファンドのデータです。Avea、Avebはそれぞれ、a、bファンドの平均月次騰落率をあらわしますが、ここでの平均は、幾何平均ではなく単純な算術平均でないといけません。
「えっ?前の章で、月次騰落率の平均は幾何平均(相乗平均)じゃないとだめって言ったじゃないの???」
はい、TONEにも良くわかっておりませんが、算数としては使い分けないといけないのです。ここの議論については、今後別の機会に突っ込んで行きたいと思います。

さて、ちょっと議論がマニアックになりましたが、必ずしも、ここの議論すべてを理解する必要はありません。ファンドには、相関という名の相性があり、その強弱を表すものとして相関係数があるということ、そして相関は下記のように分類されます。

* aファンドとbファンドが同じ方向に値動きするとき、相関係数は正になる。完全に同期するときは1になる。
* 逆方向に値動きするとき、相関係数は負になる。完全に逆方法に同期するときは-1になる。
* まったく相関が認められないバラバラ状態のときは、0になる。

実用上、相関係数が±0.2以内は、ほぼ無相関、±0.2~± 0.5以内の時は、相関が弱いと考えて差し支えないようです。
相関があるというときは、少なくとも0.5以上、通常0.6以上と考えておいていいでしょう。
0.8を超えてくるとかなり強い相関があるといえます。(この辺は主観が入るのでちょっと怪しいです。TONEの私見です。)

相関は非常に大事な概念であるということを冒頭述べました。なぜ、相関が大事なのか、次のポートフォリオの章で明らかにしていきます。