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アセットアロケーション(投資の数字編)

本当の投資の基礎は、アセットアロケーションだと思っています。
各資産の相関を考えた上で、アセットアロケーションをしっかり行うことが大切です。
今回の連載で本当に言いたかったことは、このアセットアロケーションです。

換金流動性
皆さんは、手元資金として、いくらが妥当だと思いますか?突然、必要になる費用として、いくら用意しておくべきか?
一番突然で、しかも、支払いまでの待ったが利きにくいのは葬式費用です。
単に葬儀屋に支払う分だけではなく、いろんな費用がかかりますし、いざとなったらバタバタしますので、何かの資金を取り崩す手続きなどやっている余裕が無い場合が多いです。
一番やばいのは、自分自身があの世に召されたときで、それも、結構金のかかる闘病の末や、最悪の場合、遭難した上で死亡という事になれば、とんでもない費用がかかりますね。
多分、自分の親や、配偶者の不幸の場合、オフショアだろうがなんだろうが何とかできると思いますが、自分自身が死亡したときに遺された家族の方でなんとか出来るでしょうか?
そういった観点から、自分は、絶対手をつけないお金(もちろん即日引き出せる日本円)をそれなりの金額で用意しました。
そういった、急に必要になるお金を考えるとき、換金流動性というか、換金までの時間の大小が問題になります。
すごく利率のいい運用でも、とっさの場合に役に立つとは限りません。
オフショア投資もいいですが、まず、足元をきっちりと押さえておく必要があります。
その場合、換金流動性は大切なパラメーターですね。

FPの現場より(by Takumi)
「え??」と思う方もいるかもしれませんが、海外投資自体の流れは元々は「保険診断からの流れ」だったりするんですね。
えぇ、今じゃこの「本来の流れ」ではなく「貯蓄診断」から直接という人の割合のが多いくらいですが。

基本的に保険診断から流れていった人は、その後はやりやすいです。
少なくとも「万が一」の事に関する知識等、自然と足下に関する知識はついているといえるでしょうから。

が、貯蓄診断から入る人の中では「おいおい」という方も存在します。
最近は微妙に有名になったのか、いろんな方来ます。ちょいと変わった例を抜粋。

* 日本が08年に破綻する。急いで資金を移動しないと。総資金は100万、月1万まで積立可能
* 貯蓄が2万ドルある。これをManの元本保証一括でやりたい
* 他の業者の対応が悪かったから(笑) etc…

まぁ最後はいいとして、他は。。ただ、悲しい事に「自分があれこれいって断っても、他はホイホイ取り扱うであろう」という現実がある点。

FPとは名ばかりの販売屋がはびこっているのが世の中といっていいかもしれません。
言い過ぎかもしれませんが、自分くらいかも。
「最低限の銭、日本に残しておいたらいいでっせ。自分の場合は200万ちょい、手元に置いてますぜ」というのは。。

余談かもしれませんが、万が一の場合は保険で、と考えている方いるかもしれませんが、当然ながら万全ではありません。
特に障害時においては保険では対処が難しかったり。
はい、悲しいかな「現金」が唯一のヘッジになり得るモノなんだよ、と。
(場合によっては、まだ海外投資のがマシといえたり)
ポートフォリオ
さて、ここで、今一度、ポートフォリオに戻ります。
一般的にポートフォリオを論ずるときに、ファンドの組み合わせや、国債との組み合わせの話は良く出てきますが、現金ポジションも包含するシミュレーションはあまり無い様に思います。
今後、キャッシュポジションを含めた、トータルのアセットアロケーションをサポートできるようなソフトウェアが欲しいですね。

日本の銀行の金利がほとんどゼロなので、キャッシュポジションはリスクもリターンもゼロのいわゆるグラフ上の原点と思っていいです。
そこと、自分の保有しているファンドのリターンとリスクのプロットに対して直線を引き、現金とファンドの保有比率に応じた中間点が、現金とファンドを含めた資産のリスクと期待リターンということになります。
保有ファンドによってトータルのリスク・リターンが変わるのは当たり前ですが、同じようなファンドを保有していても、キャッシュポジションの大きさによって、トータルのリスクリターンは大きく変わります。
逆に言うと、キャッシュポジションや、不動産や借財などを全部含めて考えた上で、ファンドの購入を検討しなければならないということです。
キャッシュポジションが大きい人は、ファンドでは大きくリスクをとってリターンを狙うことが出来ますし、逆に、ほとんどの資産をファンドに投入しているという人は、そんなに派手なリターンを狙うのは非常にやばいわけです。
ここのサイトを見ている方は、「そんな当たり前のことをいまさらしつこいぜ!!」とお怒りでしょうが、以外に、一般の人は、ここのところが出来ていないようなのです。

たくみさんとやりとりをしていて、結構こういう事例が多いということを知りましたので、あえて、書き込んでいます。

TONEはキャッシュポジションとファンドのポジションを比べると、キャッシュポジションの方が大きいです。だから、ファンドは比較的ハイリスクなものを中心に選んでいます。
組み込んでいるファンドだけをみるとハイリスクな物が多いので一見リスクテイカーに見えますが、全体を見ると必ずしもリスクテイカーとは言い切れません。
キャッシュポジションを大きく持ち、ハイリスクな投資を少しやるのと、ほとんどの資金をファンドに回してローリスクな運用をするのとどちらがリスクが高いでしょうか?
そうなんです。キャッシュポジションや他の資産について触れずに、保有ファンドだけを比較をしてみても意味ないわけです。