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正規分布と標準偏差

ファンドのリスクを語る上でなくてはならない知識です。これ、本当は最初にやっておかないといけなかったみたいですね。

正規分布って何

正規分布は、ガウス(Gauss,1777~1855)によって発見された分布で、ガウス分布とも言います。

確率変数 X が正規分布にしたがうとき,その密度関数 f(x) は,

で与えられます。

正規分布に従う事象とは、ある点を中心にランダムにばらつく事象です。
式で見ていてもわかりにくいので、図にしてみました。

このようにど真ん中を中心に左右に「対称」に広がった分布です。

投資の基礎知識(数字編) リスク でちょっと触れましたが、月々の騰落率データのばらつきを求めるときに、平均からの差(偏差)を2乗して合計し、データの数で割る(偏差の2乗の平均を取る)と分散になります。 分散は、(%)の2乗などという使えない単位になるので、こいつの平方根(√)を計算して、これを標準偏差σと読んでいるわけですね。月々の騰落率データが元データなのであれば、単位は(%)になります。

横軸は、中心からデータがどれだけ離れているかということで、標準偏差σ、2倍の2σ、、、、という具合になっています。

この分布の縦軸は確率密度といい、数字が大きいほど、「確率が高い」と考えてもいいです。 ここで、わざわざ確率密度と断っているのは、実は、確率は、高さだけで表現されるのではなく、高さと幅をかけた面積で表現されるからです。

正規分布と確率

正規分布の縦軸は確率密度なので、横軸との掛け算で求めた面積(横軸の区間積分で得られる面積)が確率になります。 まあ、小難しい話は置いといて、実際にどんな確率になるかを図にしてみました。

±σの部分を水色に塗りつぶしました。 ここの部分の確率は、68.26%です。 つまり、±σの範囲に入る確率は68.26%だということです。裏を返せば、±σからはずれる確率は100-68.26=31.74%ということです。

±2σを緑で塗りました。(注:水色と緑の両方が範囲です。) ここの部分の確率は、95.44%です。

±3σの部分が黄色です。(注:水色と緑と黄色の全部が範囲です。) ここの部分の確率は99.73%です。

マニアックサイトでは、ファンドのリターンと、年次の標準偏差を表示しています。 これの意味は、例えば、リターンが10%で年次の標準偏差が5%だったとしたら、一年後のリターンが5~15%にはいる確率が68.26%だということを意味します。

2σで考えると、5%の標準偏差の2倍ですから10%ということになります。 すなわち、一年後のリターンが0~20%の範囲に入る確率が95.44%ということです。

3σの時は、-5%~25%に入る確率が99.73%ということです。

ちなみに4σともなると、99.99%という確率になります。

ファンド投資の場合、標準偏差を用いて区間推定をすることが出来るわけです。

次の機会には、区間推定を用いて、長期投資の優位性について述べようと思います。