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ファンド購入に対する見きわめ方&期待値の考え方

【ファンド購入に対する見きわめ方&期待値の考え方】

「●●とかいいんじゃない?なんか実績いい見たいだし~」

最近よく聞く、某業者さんから流れてくる方達の話です。
こういう話を聞く度、自分は思わずため息出てしまいます。

「どうやったらこのファンドの実績がベターだと判断出来るねん!!」

恐らくここにいらっしゃる皆様には「んなもん、100も承知じゃ。いわれるまでもないわ!」というような気しますが、念のためお読み下さいませ。
最後に「やはり最初思った通りだったわ!」という事でしたら、ごめんなさい。

 

■ファンド購入する為の最低条件

まぁ、ここは読み飛ばして貰って構わないです。
簡単。

・カストディ・監査法人がしっかりしているか否か?
・ISIN#取得しているか否か?
・PPB、PBの精査が通っているか否か?

なんか何度も書いているネタですが、これから外れるものには手出さない、というのが賢明。
※まぁ、K1のような特別な事情があるものに関してはその限りではないでしょうが

[参照HP]
怪しいファンドの見分け方

 

■最低条件をクリアしてからの見極め

まぁ、最低条件をクリアしていないものは論外として、問題は「いや、普通にPPBやPBに組込み可なものだけど~」というものに対して。
以下は、あくまでも「自分の考え・見極め」ですので、これが絶対、という事はないであろう事は付け加えておきます。

1)他に似たようなファンドはあるのか否か?
2)仮に同戦略・同市場のファンドが他にあった場合、運用実績が2年未満ならば2年は様子見る。
※シミュレーション期間の成績が良かったウンヌンは参考にならない。

ただし、そのファンド会社に他ファンドがあり、かつ他ファンド実績が案外長いものの場合、
そのファンドの成績がいいか悪いか、というものを見て「いいじゃん」という事ならばアリかも。

まず1)に対して。
例えば先日出たような、Electrics Energy Fundなんかは少なくとも現時点では同一市場のファンドは存在しない事より、例え実績がなくても「資産の一部」を組込みしてみるのはこれはこれでアリでしょう。ただ、managed futuresのようなファンドは、、AHLやらQuaやら、、ナンボでもありますよね。もしもmanaged futuresを現在保有していない、というのならば検証価値はアリかもしれないですが、保有している場合は、、、分散の概念からこの時点で他を検討すべき、でしょう。

2)に対して。
ここ、案外言葉に書くと難しいですね。

「全く知らないファンド会社で、2年未満の実績でそれまでの実績はソコソコのファンド、買うべきか否か?」

自分は、1)とからめて考えます。
「他に同一市場ものがないものなら、検討するかも、それ以外なら買わん」というのが答え。
えぇ、例えばElectrics Energy Fundなんぞ、「知らないファンド会社」ですし、実績も2年未満。
本来なら「買わん!」となるのですが、、電力売買市場自体が新しい息吹を感じ、、、ちょいと惹かれます。
(まぁ、5万ユーロミニマムという時点で自分は購入しないですが(笑))

一方、、、面倒なので実名で書くと3AのCommodityなんぞは、普通にCTA系、、QuaやらAHLと同一もの。
選択肢は豊富にある中で、シミュレーションデータのみで購入出来るか?といったら、、無理ありますわ。
3Aには他に既存のファンドがあり、他ファンドを調べてみると、、どれもカスのような成績ですし(笑)
※仮に、既存ファンドが「ほぉ、中々実績長くていい成績おさめているじゃん」という事なら、話は変わってきますが。

もうちょい身近(???)な所で、ManRMFから出ているEnergyものとかどうか?というと、、

「市場は面白いんだけど、RMFはManになってもぬけの殻、実績残していないよね。。実績1年程度だし、まぁ様子見だね」

という答えになります、自分は。
当然、結果としてすんごいリターンを数年でたたき出している可能性もあるでしょうが、そうなったらそうなったで別に問題ナシ、と。

一方、FMGのAFRICAファンドとかだと、少なくともRISING3やらSOF(??)で新興市場系で実績残してますね、FMG。
よって、このファンドの場合は「アリじゃない?」と自分は判断します。当然、RISING3などで優秀な成績をおさめたからといって、アフリカで同じように成功するという保証はない訳ですが、少なくとも実績残していない所にくらべればナンボかマシでしょう。
※アフリカ市場は当然ながらハイリスキーなので、やる際にはそれ相当の覚悟は必要でしょうが(笑)

ちょっと難しいのが、Horizon21の商品。
まぁ、、このファンド会社はどうやらリテールは捨てるっぽいので今後紹介する事はないんじゃないか、と思っていますが、仮にリテール向けに何か新商品を出してきたとしたら、自分はちょいと期待してしまいます。

・元Nobleを買収、スタッフは残っている
・Horizon21は元RMF、Manに買収される際にスタッフをゴソっと引き抜いて独立して作ったファンド会社
買収される前のRMFの実績はそれなりに良かった

とまぁ、こんな話を知っているから。

まとめます。

「実績2年未満のファンドは取りあえず様子見。ただ、他ファンド実績が優れている・知っている等の場合はその限りではない」

上記、自分の判断基準でした。
※Electrics Energy Fundは魅力的ではありますが、自分の中では「1年は様子見」ですね、何とかいって。

 

■期待値として計算出来ないもの

「いやぁ、新興市場の●●ファンドを組込んだとしたら、平均リターンが35%で標準偏差が14%。いいんちゃいます?」

というような話もちょくちょく聞きます。
ただ、「新興市場はあくまでも「お楽しみ」にとどめるべきであり、期待値として考えるのはいかがなものか?」と自分は考えます。
ちょいと極端ですが、こんな例を。

現在10万の借金があったとします。
で、手持ちは5万円。
この銭を持って、パチンコ屋に走ってパチンコで勝負して10万にして返す見込み。

と、こんな例を見てどう思われますでしょうか?
えぇ、危険きわまりないですね(笑)

さて、ちょいとマニアックに考えます。

http://dog.intcul.tohoku.ac.jp/hobby/pachinko/index.html

上記サイトにて、パチンコの期待値の話ありますので斜読みしてみて下さい。
「面倒だよ!」という方もいるでしょうから、まとめますと、、

「500円で9.4回転以上回る台だと勝率があがるぜ」

という、確率の話です。
さて、仮に1000円で20回転以上回る台があったとします。
理論上では「勝てる」訳ですが、やった事ある人なら分かると思いますが「ナンボ銭突っ込んでも当たらない時は当たらない」のですね。
えぇ、5万程度はストレートで一度の大当たりのないまま飲まれる事なんぞ、ザラです(笑)
それもその筈、たかが5万程度、たかが数日程度では確率は収束に向かわない、、ものなんですよね。
よって、パチンコで期待値を求めていく、のには無理があります。
※平台ならば話は変わってくるかも知れないが。

新興市場を期待値にいれて考えるというのは、実はこの例と差程変わりません。
パチンコで例えるならば、現在は「新装開店」などの時期だぜ、といえば分かりやすいでしょうか。
新装開店のパチンコは、やった事ありかつ、大勝した人なら分かるかもしれませんが、「おぉ、俺パチンコで食っていけるんじゃね?」という程、出る時は出ます。
ただ、、当然世の中そんな甘いこたぁなく、、、何日か後で大敗、、とかよくある話。

ちなみに今は一切パチンコとかやってませんが、何とかいって自分の収支はプラスでした。
ただ、一度も「パチンコでの勝ちの銭を計算にいれた事はない」です。
色々研究もしたりしましたが、あくまでも「遊び」でしたから。

って、脱線しすぎですね(笑)

新興市場は、、そうですね、分かりやすい例としては「バブル時期の日本、それ以後の日本」の株価を漁ってみて下さいませ。
えぇ、最高値は20年程度経過した今でも到達していませんな。
酷い時なんぞ、6000円を目指していたくらい、、、

というように、新興市場を見る際は「標準偏差ウンヌンではなく、下がる時は1/2以下まで落ち込み、10年経過しようが元に戻らないケースだってある」という所まで考えて組込むべき、でしょう。えぇ、それこそズゴンと成長したら「ラッキー」程度に考えるのがベター。
自分ならば、、

・どうせ遊び銭を新興市場に突っ込んだわけだから、忘れたつもりで気合いで寝かしておく
・いつ下がるか分からん、取りあえず原資分だけ残して後は利益確定するべか

ってな感じで考えます。
このように書くと誤解されるかもしれませんが、新興市場に投資なんぞするな!という話ではありません。
あくまでも「計算にいれるな!」という話。

そうですね、、旦那さんの給料、「会社から貰う給料は30万、パチンコで稼ぐ銭が恐らく20万くらいで合計50万だね」という風だったらどう思われます?
この見込みで将来設計を、、というのは無理ありすぎですよね(笑)

ちなみに、自分が「計算から外す」市場は以下のような感じです。
計算から外す、といっても「計算しない」だけで、普通に「こういう市場どうよ?」という風にしたりしますけどね(笑)

・新興市場(特にMENAやらアフリカやら)
・IPO市場(そりゃ計算難しいです)
・新興市場IPO(いうまでもないですね(笑))
・電力売買市場(真新しすぎて検証不可)
・SIF(軍事産業IPO+テクノロジー)
※個人的にモロ計算に入れる事ありますが、IPOが25%混じっているので
・ローンチ1年程度のファンド全般
※サンプルが少なすぎて検証不可

まぁ、何かの参考になれば幸いです。


と、案外まともな講座、、かな?(笑)
自分としては「これは当たり前の事ではないか?」という事でも、実は「いやぁ、知らなかったよ」という事って案外あると思ってます。
えぇ、今回の内容は「いや、ホント当たり前の話だったね」という人もいるでしょうし、逆に「いやぁ、知らなかった」という人もいる、、かな??

自分自身の考え等、絶対に正しいぜ、という事は恐らくないでしょう。
きっと、もっと素晴らしい考えとか見極めとか、あるんじゃない、、かな。。
また、上記の考え方ですと「エマージングマネージャー」発掘はスルー、となるので「山を当てたらデカいぜ」というような大きなリターンは得られないでしょう。

ただ、「大きな夢を買うより、安定性を」という路線が一番妥当ではないか、と。
当然、インサイダー情報でも入ってきたりとか、非常に市場に明るい場合とかは、真新しいものでも「これは!」とやられるのもアリでしょうが、まずそんな人いないでしょう。

「いや、この商品いいよ、と提示されたから」

多くの人が、そんな理由にて海外投資を考えられます。
当然、普通に自分が見ても「あぁ、これはいいファンドだね」というものも存在しますが、多くのケースは「は?知らん、こんなファンド会社。過去実績は、、って出たばっかじゃん、このファンド、、、」というような感じ。。
いったい、何をもって「いいファンド」というんだろうか、、と。
(その業者にとって、いいファンド、というケースは多々ある。。)

取りあえず、こういう考えもあるんだ、という意見の一つで捉えて頂き、参考になる部分のみ皆に取り入れてもらえれば幸いです。

ではでは。