このページは基本の中の基本をおさらいしますが、世の中には、もっとよくわかる書籍はいっぱいあります。「道具としてのファイナンス」ISBN4-534-03948-4もわかりやすいです。
リスク「危機」とは
有価証券投資で、リスクが大きいというときは、「危ない」という意味ではなく、「不確実性が大きい」という意味です。
リスクといったときに、「危険」と「機会」=「危機」と考えた方がしっくりきます。 ですので、リスクの大きな証券とは、上がったり下がったりする幅が大きく、大きく儲ける可能性もぺしゃんこにへこむ可能性もともに大きいということになります。逆にリスクが小さいとは、下がる危険は少ないが大きく儲かることもあまり無いということになります。
有価証券投資におけるリスクとは「回避するもの」という意味よりも、「把握してコントロールするもの」と言う意味合いが強くなります。
ランダムウォーク(酔っ払いの千鳥足)
ここでの初期条件は有価証券の値動きはランダムであることを前提としています。すなわち、過去の価格推移のデータから明日の価格を予測することは原理的に出来ないという前提です。たとえば、現在1000円の株式があり、この株式の価格が明日980円になるということは、原理的に断言できないという考え方です。しかし、1000円の価格が明日も同じく1000円になる確率は結構高そうに思えますし、2000円に跳ね上がるというようなことは、感覚的に起こらないと思えますよね。要するに、断言は出来ないが、明日いくらぐらいになるのかを「確率」で捉えることは出来るわけです。
ランダムな事象の場合、価格変化のばらつきは「正規分布」します。正規分布は平均値μと標準偏差σで表現することが出来ます。
証券投資でいう「リスク」とは、この「標準偏差:σ」を指すと考えていいでしょう。
分散と標準偏差
有価証券の価格のように、毎月上下する数字を使って、そのばらつきの大きさを求めます。
X1,X2,X3の3つの数字があるとき、数字のばらつきを求めます。
まず、3ヶ月間の平均値をAveとすると。分散={(X1-Ave)2+(X2-Ave)2+(X3-Ave)2}/3ここで、分母の3はデータ数3で割っているという意味ですから、一般的には、データ数で割ってやればよいです。標準偏差は分散の平方根をとったものです。
標準偏差=√分散
なお、ボラティリティという言葉もありますが、細かい定義は別として、標準偏差を指します。ほぼおんなじ様なものです。ボラティリティについては別の機会に述べたいと思います。