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実際の相談例 第三回

前回までの大枠の質問を踏まえて、少し踏み込んだ内容になってきました。

でも、まだまだ先は長いです。※下の方に出てくる表はスクロールします。


担当者

今後、考慮すべきポイントとして、3つあります。

担当者

1)換金流動性と「時期のアロケーション」(ご自身で良くお考えになってください。ご相談に応じます)

まずは、手元資金や、短期視野で必要となる可能性がある資金の洗い出し。
ここは、ご自身でよくご判断なさってください。
海外に投資してしまうと、結構換金に時間がかかります。下手すると、数ヶ月に及ぶこともあります。

ご職業は開業医とのことで、目先の手元資金にお困りのことはないと思いますが、設備投資などのお考えがある場合は考慮に入れておく必要があります。

担当者

また、途中で、換金して事業投資などなさる場合は課税リスクが発生しますので、少しは考慮しないといけません。
もちろん、税制が今後どうなるか予想つきませんので、あまり気にしても仕方ないですが、「現時点での非課税商品」を選定しておくのもひとつの考え方となります。

まず足元を固めたあとで、短期(5年以内)、中期(10年前後)、長期(15年以上)の3つに分けて、それぞれの「時期のアロケーション」を考えます。

相談者

国内に1~2000万残します。従って、短期に崩すことはありません。
(全額で9000万です。すべてキャッシュ。投資分以外は国内で保存)

担当者

それでは、一旦8000万円というところで、考えてまいりましょう。

担当者

2)投資先選定(いろんなパターンで提示いたします。)

ファンドの選定の部分です。ここは、マニアックサイトのデータベースなどを使って、目標リターンを目指していろんな状況を考慮してリスク分散を図ります。
1)で決定した「時期のアロケーション」に応じて、具体的銘柄の候補を抽出します。
基本的な姿勢は、短期は鉄板系かつ短期解約可能なもの、中期は課税リスクを幾分は考慮、長期はある程度大きくリターンを狙いにいくというのがセオリーです。

相談者

短期はないのですが、鉄板系は不要になるのでしょうか?
多様性と「保険」の兼ね合いがよくわからない。スタンスの取り方が判明しないわけですね。
その辺ビシッとご意見ください。

担当者

おいおいに説明いたしますが、全体のバランスの中で考えていくわけですので、絶対必要とか不要ということはないです。
ただし、この程度の額になってくると、攻めるところと守るところがあると思いますので、鉄板系があったほうが組みやすいと思います。
鉄板系のいいところは、ほとんど、リターンが変動しないので、リスクフリー資産とみなせるという点です。
LM MortgageやGlanmoreなどは、6~7%のリターンのあるリスクフリー(標準偏差をゼロとみなす)資産とみても差し支えないと思います。
(最近、Glanmoreは年率13%という高率でまわっていますが、これは一時のことで、大抵は8%前後でしょう。)

担当者

あまり参考にはなりませんが、自分の場合、現金が60%、投資にまわしているのが40%ですので、かなりハイリスクなものに突っ込んでいます。
今回、80~90%前後を投資するわけですから、当然、落ち着いた投資先も選定すべきです。
(自分もそうしたいんですが、手元資金やその他の理由で、投資に回せないのです。もう少しはまわしたいと思ってはいます)

担当者

3)ビークル(大枠が決まったところでたくみさんとも相談)

資金額から考えると、PB:プライベートバンク、PPB:オフショア生保のパーソナルポートフォリオボンド、なども視野に入ってまいります。
ここをどうするかは、実は、項目1)の「時期のアロケーション」に大きく依存しますし、2)で選択したファンド次第では、PBやPPB経由でないと入手できないものもあります。
ただ、ここの部分は、私が十分にご相談に応じれる分野ではありません。
たくみさんとも連絡を取りながらということになります

相談者

PBに関しては、以前たくみさんと相談して結局やめました。
PPBでいきます。

たくみ

PBについて

PBに関して中には15万ドルくらいからいける、なんて話もありますが、ここらには「USD100000ドルはAbbey1ヶ月定期で、£25000はロイズのコールもの設定って出来る?」なんて質問してみると面白いかも(笑)

色々いわれますが、基本的に100万ドル以上はミニマムではあるものの、PB側からしてみれば「上客」ではないです。PB(PPBも似たようなものですが)は、「人が限りなく大きな意味合いを持つ」という点、、抜けている人多いですね。本来のPBについては、いずれ詳しく書きます。

 

担当者

まずは、「時期のアロケーション」について、お考えをまとめてください。大体の金額がわかればいいです。
もちろん、短期のつもりが結局長期になってもかまわないように全体のバランスは考慮します。
ただ、短期、中期的視野で取り崩す可能性がある場合、それをある程度考慮したポートフォリオが望ましいです。

このように進めてまいりますので、よろしくお願いします。

担当者

まずは、「時期のアロケーション」からスタートです。

相談者

妻とも話し合いました。妻も働いており我が家は共働きです。
10年は手をつけることはないと思います。
で、中期を1/4、残りは長期での運用を希望します。
宜しくお願いします。

担当者

はい、それでは、長い目で、育てるように考えてまいりましょう。

担当者

まず、簡単な帳票を作成したので、添付いたします。
非常に単純なものです。
黄色く塗ってあるところに投資配分を入れると、15年後にいくらぐらいになるか、手数料などを考慮した3つのバージョンで、示してみました。
10%、15%、20%に対していくら入れるかという入力です。6%のところは 8000 万円からの差し引きが入るようにしています。
6%は鉄板投資、10や15あたりがメインの投資、20はリスクもののイメージです。
(細かい手数料は正確ではありません)

担当者

12%前後の運用をすると、15年後に4億円前後になります。
もちろん、このシミュレーションは、大体の額を見るためだけのもので、リスクを何も考慮していません。
ここでは、「いくらぐらいになるのか」と、「どんなリターンのものに配分すればいいのか」が大体わかるということです。

担当者

次の段階は、リスクを含めたターゲットの設定ですが、その前に、少し考えていただきたいことがあります。
それは、「何年後に、いくら欲しいか」です。必ずしも、そのとおりになるとは限りませんが、ターゲットがあったほうがいいですね。
1)何年後をターゲットとするか
2)これぐらい欲しい額はいくらか。
3)最低でも確保したい額はいくらか。

担当者

添付の帳票を見ながら、イメージしてみてください。
もちろん、10年後に5億円となると、かなりハイリスクになるでしょうが、絶対不可能でもないでしょう(でも、お勧めはしません)。
ただ、必ず成績はぶれますので、最低ラインをどこに置くかを考えて、まず、守る線を決めます。
(非常にいい加減な話ですが、年1000万円あれば、かなりゆったりと暮らせます。5%の運用は全然難しくないので、逆算すると2億円あれば運用益で悠々と暮らせます。1億円でも、十分リタイア可能です。ここら辺のゴールの設定は個人ごとに違うのでなんともいえません。)

守る線を決めたら、リターン-3σで、そこをクリアするように狙っていきます。
それ以上の答えが出るようなら、無理しない範囲で、上を狙えばいいと思います。

担当者

今、ちょっと引っかかっている問題があります。
かなり、有力視していたinifinitiがどうも投資できない(PBやPPBからも)という話が伝わってきました(たくみさんより)。
infiniti のすべてのファンドがだめということはないと思いますので、もう一度確認します。
ただ、inifiniti以外のFund of Hedge Fundsも調査しないといけなさそうです。
MANのAHLにしろ、NobleのWinston、Super Fundなども、CTA(Commotidy Trading Advisers=先物取引業者)系なので、どうしても、バリエーションに欠けます。
この辺は、たくみさんにも調べていただくようにお願いします。

添付帳票(実物はExcel)

  • 手数料を考慮しない場合
リターン 6% 10% 15% 20% TOTAL 毎年年利 ローンチからの
リターン(年利換算)
初期設定費* 管理費* 備考
配分 2,000 3,000 2,000 1,000 8,000
1 2,120 3,300 2,300 1,200 8,920 11.5% 11.5% 0 0 初年度販売手数料も加味せず
2 2,247 3,630 2,645 1,440 9,962 11.7% 11.6% 0 0
3 2,382 3,993 3,042 1,728 11,145 11.9% 11.7% 0 0
4 2,525 4,392 3,498 2,074 12,489 12.1% 11.8% 0 0
5 2,676 4,832 4,023 2,488 14,019 12.3% 11.9% 0 0
6 2,837 5,315 4,626 2,986 15,764 12.4% 12.0% 0 0
7 3,007 5,846 5,320 3,583 17,757 12.6% 12.1% 0 0
8 3,188 6,431 6,118 4,300 20,036 12.8% 12.2% 0 0
9 3,379 7,074 7,036 5,160 22,648 13.0% 12.3% 0 0
10 3,582 7,781 8,091 6,192 25,646 13.2% 12.4% 0 0
11 3,797 8,559 9,305 7,430 29,091 13.4% 12.5% 0 0
12 4,024 9,415 10,701 8,916 33,056 13.6% 12.6% 0 0
13 4,266 10,357 12,306 10,699 37,628 13.8% 12.6% 0 0
14 4,522 11,392 14,151 12,839 42,905 14.0% 12.7% 0 0
15 4,793 12,532 16,274 15,407 49,006 14.2% 12.8% 0 0
  • PPBの場合
リターン 6% 10% 15% 20% TOTAL 毎年年利 ローンチからの
リターン(年利換算)
初期設定費* 管理費* 備考
配分 2,000 3,000 2,000 1,000 8,000
1 2,033 3,165 2,206 1,151 8,554 6.9% 6.9% 3.104% 1% 初年度2%の販売手数料加味
2 2,110 3,408 2,483 1,352 9,352 9.3% 8.1% 1.104% 1%
3 2,189 3,670 2,795 1,588 10,242 9.5% 8.6% 1.104% 1%
4 2,272 3,952 3,147 1,866 11,236 9.7% 8.9% 1.104% 1%
5 2,357 4,255 3,543 2,192 12,347 9.9% 9.1% 1.104% 1%
6 2,446 4,583 3,989 2,575 13,592 10.1% 9.2% 1.104% 1%
7 2,538 4,935 4,491 3,025 14,988 10.3% 9.4% 1.104% 1%
8 2,634 5,314 5,056 3,553 16,557 10.5% 9.5% 1.104% 1% 8年目まで、初期設定費がかかる
9 2,742 5,740 5,709 4,187 18,378 11.0% 9.7% 0.800% 1% 約40%の資産で満期再投資を考慮
10 2,877 6,251 6,500 4,974 20,602 12.1% 9.9% 0.000% 1%
11 3,019 6,807 7,400 5,909 23,136 12.3% 10.1% 0.000% 1%
12 3,169 7,413 8,425 7,020 26,027 12.5% 10.3% 0.000% 1%
13 3,325 8,073 9,592 8,340 29,330 12.7% 10.5% 0.000% 1%
14 3,489 8,791 10,920 9,908 33,109 12.9% 10.7% 0.000% 1%
15 3,662 9,574 12,433 11,771 37,439 13.1% 10.8% 0.000% 1%

*初期設定費や管理費は概算です。変わることがあります。

  • PBの場合
リターン 6% 10% 15% 20% TOTAL 毎年年利 ローンチからの
リターン(年利換算)
初期設定費* 管理費* 備考
配分 2,000 3,000 2,000 1,000 8,000
1 2,056 3,201 2,231 1,164 8,652 8.2% 8.2% 2.000% 1% 初年度2%の販売手数料加味
2 2,158 3,486 2,540 1,383 9,567 10.6% 9.4% 0.000% 1%
3 2,265 3,796 2,892 1,643 10,595 10.8% 9.8% 0.000% 1%
4 2,376 4,134 3,292 1,952 11,754 10.9% 10.1% 0.000% 1%
5 2,494 4,502 3,748 2,319 13,063 11.1% 10.3% 0.000% 1%
6 2,617 4,903 4,267 2,754 14,542 11.3% 10.5% 0.000% 1%
7 2,746 5,339 4,858 3,272 16,216 11.5% 10.6% 0.000% 1%
8 2,882 5,814 5,531 3,887 18,115 11.7% 10.8% 0.000% 1%
9 3,000 6,280 6,247 4,581 20,108 11.0% 10.8% 0.800% 1% 約40%の資産で満期再投資を考慮
10 3,148 6,839 7,112 5,442 22,541 12.1% 10.9% 0.000% 1%
11 3,304 7,448 8,097 6,465 25,314 12.3% 11.0% 0.000% 1%
12 3,467 8,111 9,218 7,681 28,477 12.5% 11.2% 0.000% 1%
13 3,638 8,833 10,495 9,125 32,091 12.7% 11.3% 0.000% 1%
14 3,818 9,619 11,948 10,840 36,225 12.9% 11.4% 0.000% 1%
15 4,006 10,475 13,603 12,878 40,963 13.1% 11.5% 0.000% 1%

*初期設定費や管理費は概算です。変わることがあります。

  • 自分でポートフォリオを管理(直接保有)
リターン 6% 10% 15% 20% TOTAL 毎年年利 ローンチからの
リターン(年利換算)
初期設定費* 管理費* 備考
配分 2,000 3,000 2,000 1,000 8,000
1 1,974 3,072 2,141 1,117 8,305 3.8% 3.8% 5.000% 0% 初年度5%の販売手数料加味
2 2,092 3,380 2,462 1,341 9,275 11.7% 7.7% 0.000% 0%
3 2,218 3,717 2,832 1,609 10,376 11.9% 9.1% 0.000% 0%
4 2,351 4,089 3,257 1,931 11,627 12.1% 9.8% 0.000% 0%
5 2,492 4,498 3,745 2,317 13,052 12.3% 10.3% 0.000% 0%
6 2,641 4,948 4,307 2,780 14,676 12.4% 10.6% 0.000% 0%
7 2,800 5,443 4,953 3,336 16,531 12.6% 10.9% 0.000% 0%
8 2,968 5,987 5,696 4,003 18,654 12.8% 11.2% 0.000% 0%
9 3,083 6,454 6,419 4,708 20,664 10.8% 11.1% 2.000% 0% 約40%の資産で満期再投資を考慮
10 3,268 7,099 7,382 5,649 23,399 13.2% 11.3% 0.000% 0%
11 3,464 7,809 8,489 6,779 26,542 13.4% 11.5% 0.000% 0%
12 3,672 8,590 9,763 8,135 30,160 13.6% 11.7% 0.000% 0%
13 3,892 9,449 11,227 9,762 34,331 13.8% 11.9% 0.000% 0%
14 4,126 10,394 12,911 11,714 39,146 14.0% 12.0% 0.000% 0%
15 4,373 11,434 14,848 14,057 44,712 14.2% 12.2% 0.000% 0%

ちょっとややこしくなってきました。

最後の表とかは流し気味でサラッと見て頂ければ良いかもしれません。

大雑把にいうと、8000万円の投資額を「リターン=年利」でどの割合で配分しますか?という事です。

縦の左にある「1~15」は、投資して1年目~15年目という事です。複利で運用できるので長期の方が有利にはなってます。

もちろん、リターンが大きいものはリスクがそれだけ大きくなります。4つの表になっているのは手数料の違いだけなので、そこまで今は考えなくても良いと思います。

複利計算に興味のある方は、こちらのページで遊んでみてください。