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分散投資とは-MAN-ADP基準の相関係数とインベストメントボンド(投資の数字編)

一番有名なファンドは、MAN社のAHL Diversified plcでしょう。
このファンをを基準に、よくあるファンドや指数との相関を見てみましょう。

分散投資とは-MAN-ADP基準の相関係数とインベストメントボンド

ファンド(指数名) 相関係数 戦略 コメント
Man AHL Diversified plc 1.000 ヘッジ、先物 基準
Man IP 220 Limited(Series2) 0.882 ヘッジ、先物 MANの派生商品
Man-IP 220 Plus (Series 2) Ltd 0.870 ヘッジ、先物 MANの派生商品
Man-IP 220 Plus (Series 3) Ltd USD 0.858 ヘッジ、先物 MANの派生商品
QUADRIGA GCT USD 0.798 ヘッジ、先物 Maneged Futures
Man AP Enhanst LTD USD class bonds 0.789 ヘッジ、先物 MANの派生商品
CSFB/Tremont Hedge Fund Index Managed Futures 0.783 ヘッジ、先物 指数 ヘッジ、先物戦略の指数
Noble Winton Global Futures Fund 0.668 ヘッジ、先物 Winton
Man Arbitrage Strategies Ltd 0.334 ヘッジ、裁定取引 戦略が違うヘッジファンド
CAPITAL PRESERVATION INCOME PLUS INC. 0.258 ヘッジ、Fund of Funds いろんなヘッジファンドを集めたもの
CSFB/Tremont Hedge Fund Index 0.129 ヘッジファンド 指数 ヘッジファンド全体の指数
RICI Rogers International Commodities Index 0.065 商品指数
Nikkei225 INDEX -0.140 株式指数 日経平均
Glanmore Property Fund -0.173 賃貸不動産
DAX INDEX -0.177 株式指数 ドイツ
FTSE100 INDEX -0.185 株式指数 イギリス
SP500 STOCK INDEX -0.193 株式指数 アメリカ

基準がADPですので、当然ですが、自分自身(ADP)との相関は1です。
相関係数は高ければ高いほど相関が高く、同じような値動きをすることから、分散効果がないということになり、低ければ低いほど分散効果がある組み合わせになります。

マイナスの数字は、逆相関関係にあるということになるので、たとえば、一番下のSP500と、MAN-ADPの関係では、どちらかというと、片方の値が上がったときにもう片方の値が下がるというように、ばらつきが押さえられる方向に働く組み合わせになります。
まあ、ごらんになれば、一目瞭然ですが、MAN-ADPとQuadriga-GCT(現在はSuperfund B)は違うファンドではあるものの、戦略が同じヘッジファンド同士なので、相関係数が高く、0.8もあるので、この2銘柄を組み合わせても何ら分散投資にはなりません。

ましてや、MANの派生商品群は、基本部分にAHLプログラムを採用していますので、当然ですが、高相関で、分散先としては不適当です(こういうのばかり購入すると「MAN硬変」になります)

同じヘッジファンドでも、Man Arbitrage Strategies Ltdは戦略が違いますので、やはり、相関係数も比較的低く抑えられています。
MAN-ADPとMAN-Arbの組み合わせなら、なかなかいい組み合わせといえますね。

同じ戦略ばかり組み合わせても、、、、、

オルタナティブファンドの章で、述べたように、そもそもの伝統的な投資は株式と債券が主流でした。
そういった、伝統的な投資資産を保有している資産家に対し、相関の低い(市場相関性が低いなどという)の投資先として、ヘッジファンドは有効です。
しかしながら、ここ最近に、MAN社のファンドが有名になったために、逆に、ヘッジファンドからスタートする人も出始めました。

MANのADPは実績もある立派なファンドですが、あくまでも、いろいろある投資手段の一つに過ぎません。
これ一つあればすべてOKというわけにはいかないと思います。
もちろん、そういったことを理解した上で、なおかつ、一点張りするのだという方はそれはそれで一つの考えですので、かまわないですが、そうではなく、分散投資をするつもりでいるのならば、MANのADPとQuadrigaの組み合わせなんかは何らの分散効果もありはしないということです。

 

分散投資

分散する理由は、全滅を回避するためです。
たとえば、ある会社の株式に全財産を賭けていて、その会社が倒産したら一気に資産を失ってしまいます。
ですので、いくつもの会社の株式に分散することで、一社が倒産してもほかの資産が生き残るようにするのです。
そういった個別銘柄のリスクは比較的わかりやすいので、ピンとくると思いますが、ヘッジファンドとかですと、なぜかそういったことがわからない方が多いようです。

「卵は一つのかごに盛るな」
有名な言葉ですが、実践するのは意外と難しいようです。
このように、話をすると、ほとんどの方が、分散投資の意義をおわかりになるのですが、実際の行動がなぜか伴わないんです。

一つには、こういった、相関や、分散投資といったことにふれる機会が少ないことと、業者が儲けやすいファンドを集中的に進める傾向があるというところに問題があります。

ベルトコンベア式販売

そりゃあ売る方からすれば簡単ですよ。
「有名なMANのファンドください」
「毎度あり」
ベルトコンベア式に書類を仕上げてはいおわり、、、、、です。

株式系のファンドとかはたいていの場合、IB(Investment Bond)とかを通じて購入するといったことになりますが、こういう商品はあんまり目立たないんですよね。
ヘッジファンドみたいにわかりやすくないですし、50とか100種類もあるファンド群からいくつかを選んで、投資できるといっても、何を選んでいいのか????みたいなことになります。
業者の側も、いちいちそんな相談に乗ってられませんから、どうしても敬遠して提示しなくなる。

ベルトコンベア式で販売できる、有名ヘッジファンドの提示が増えるので、当然販売が増え、あたかも人気が上昇しているかのようなことになります。
そもそもは、FAなどといいながら、資産運用相談どころか、投資銘柄相談もろくにできない単なる販売業者が目先のフィ目当てに儲かる銘柄を提示し続けるのがこの問題の一つの原因といえるでしょう。


インベストメントボンドの活用

PPB(パーソナル・ポートフォリオ・ボンド)をオフショア生保で組成できるなら、非常に自由度が高く、いろんなメリットが出てきますが、残念ながら、現在日本居住者が加入出来るPPBはITA社のAccess Portfolioくらいしかなく、かつコストの兼ね合いより実質上最低10万ドル以上ないと現実的ではないでしょう。

では、そこまでの資産がない人はどうすればいいのでしょうか?
その場合は、個別にヘッジファンドを購入しつつ、IB(Investment Bond)を申し込んで、そこで資産の相関を考慮した分散投資を実現するのが一つの方法です。
IBは、積み立てプランなどではよく知られていますが、意外に知られていないのが、一括払いプランもあるということです。

ITA社のIBである、「Platinum」は、ミニマムUSD1万からOKで、ファンドのリストの中に、いろんな株式ファンドや債券ファンドだけでなく、有名なMANーAHLやMAN-Arbも組み込まれています。
ええ、1万ドルという少額から、複数のヘッジファンドや株式・債券ファンドなどに、分散投資ができるのです。
積み立てと違って、買値と売値の差(Bid-Offer Spread)がないので、スイッチやリバランスなどが容易にできるというところも魅力です。
また、追加投資は、2500ドル以上jから受け付けていますので、最初に1万ドルでIB口座を開いたら、その後2500ドル単位で追加していき、運用益とともに資産を大きくしていくという手が使えます。

どのようなファンドが組み込めるのか、興味がある方は、ITA社のホームページをご覧ください。
右下の[Fund Price]というリンクから、ファンド価格一覧に飛びます。

あまり目立たない商品ですが、実はしっかりとした分散投資のフレームワークを提供するものですから、研究しておいて損はないです。