実はこれ、某所にて13年前に書いたモノです。データは確か2005年くらいのもので現在とは全く違うので一見全く参考にならないと思われるかもしれません。
が、株式市場好調時(2018年現在)こそこの記事は出すべきと判断、掲載する事にしました。
取り敢えず最後まで読んでみて下さい。
ポートフォリオ理論における主軸に対する疑問
「株・債券がポートフォリオの中心、一部をコモディティ・ヘッジファンドに分散」
ちょっとポートフォリオ理論あたりを調べるとこのような感じで表記されているもの、見つけられるかと思います。
ごく当たり前の事のように書かれていますが、果たして「株式・債券中心」というのは正しいのでしょうか?
・・・という素朴な疑問にぶち当たりました。
株式中心、、という事は、「株式が一番有効な投資手段である」という事が大前提、、な訳ですよね。
が、10年はおろか、20年、30年とS&P500のデータを検証しても「何故にこれが中心にならなくてはならないのか?」と。。。
以下、自分なりにごにょごにょ検証したもの、書いてきます。
※ぶっちゃけ、正解かどうかは不明。。突っ込みなど大歓迎です。因みに上記にあるように、これは2005年時のデータです。
データ検証
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最近100ヶ月のデータを各種引っこ抜いたものです。(期間はそろえてあります)
さて、この数字を見て皆さんはどのファンドに投資したい、と思うでしょうか?少なくともB、Eに突っ込むぜ!という方はそうはいないのではないでしょうか?
・・・もう書くまでもないかもしれないですが、各種データの正体は、、
E):日経平均
恐らくここまでで、突っ込むべき点は「んなもん、データ数が少なすぎるだろが、コモディティなんぞ特にここ最近好調なだけで、株式よりリスキーだろ?」あたりではないか、と。また、市場好調局面ではコモディティより好成績になるだろ?など、考えられます。
少々脱線しますが、株式vsコモディティの検証(?)をしてみます。
株式vsコモディティ
ジム・ロジャーズ本の中に出てくる「商品先物の実話と神話」たる本の中にある論文によると、、
ジム・ロジャーズ本には「コモディティのが収益率が高く、リスクも実は低いねん」と熱論していますが、まぁ上記が正確なライン、といって過言ではないでしょう。
さて、んじゃ株式市場は同じように長期に渡る株安局面はなかったのか?と調べてみると、、別に突っ込んで調べるまでもなく普通にgoogleあたりでササっと判明。
「普通に株式市場も長期に渡る不振時、あるじゃん」
はい、、1966年にダウ995.15ドルをつけて以降右肩下がり市場、、1982年ダウ800ドル以下に、、という長期に渡る不振局面があります。(他にも普通にある)
当然ながら、当時は「株はもうダメだよ」といわれていた、、のは調べるまでもないでしょう。
当然ながら、仮に1966年時に株中心のポートフォリオで運用していたとしたら…15年後には「なんじゃこりゃ~」という悲惨な結果になっていた…のは言うまでもないでしょう。
さて、ファンダメンタルズから見て「株式」とも言えるか?というと、、正直ファンダメンタルズ的にはコモディティのが将来性明るいと自分は感じます。
純粋に資源不足は中国・インド等の発展で容易に想像つきますし。。
結論‥とまではいかないとして、「コモディティはせいぜいポートフォリオの15%くらいまでね♪」という意見自体、実は何の根拠もないものである、といって過言ではないでしょう。(深く読んでいくと、株式主体ポートフォリオを組むくらいなら、コモディティ中心のポートフォリオを組む方がよっぽどかマシである、とはデータが証明しています)
主軸としてのヘッジファンド等の可能性
さて、ここまでで賢明な皆さんの中には一つの疑問に辿り着くかもしれません。
「いや、、過去実績見てると、株式だろうがコモディティだろうが一つのサイクルあるじゃん。。双方とも主軸として考えると、、長期の下落市場時に恐いじゃない。。」
はい、ごもっともですね。
が、上記にあげる「1966-1982年」の間、、1960年より20年、同じように株式主体で資産形成していた場合はどうだったでしょう?
これはコモディティも同じですね。
過去の実例のように、同じように長期の下落市場がおこる事はない、かもしれない。
このように考えるのは別に間違いではないでしょうが、そんな保証はどこにもありません。
長期での資産形成を、と考える場合は前提として「主力となる市場は右肩上がりでなくてはならない」という前提があって初めて成り立つ話ではないか、とふと思ったりします。株式・コモディティとも、「自己が資産形成をする期間中、都合よく右肩上がりでなければならない」前提じゃないと、、ポートフォリオ理論自体が吹っ飛びますね。
では、右肩上がりが前提となり得る投資市場は何があり得るでしょう?
はい、題名通り「ヘッジファンド」が当てはまりますね。
まだ真新しい市場だから~とはいうものの、1993年よりインデックスは存在します。
細かい市場で見ていけば、さらに歴史は古くなっています。10年前には「まだ真新しいよ~」という意見はごもっともでしょうが、少なくとも10年以上の歴史はインデックスとして存在している以上、この存在を無視してしまうのはいかがなものか、、と自分は思っています。
ヘッジファンド、、まぁ、、いろんな戦略ありますが、基本的に「絶対利益を追求していくぜ」という方針ものですね。
以下、Tremont Hedge Fund IndexとS&P500との比較グラフです。(TremontのHPより)
1993年からのデータになるので、将来的にも同じような動きになるか?は何とも言えません。
ただ、「インデックスで見た場合は、グローバルマクロ戦略主体だった時だろうが最近だろうがそこまで大きな下落はなく右肩上がりを続けている」という事が見て取れるかと思います。
株式・コモディティの「一つの大きなサイクル」(大まかに15ー20年くらいのサイクルで下落・上昇をくり返す)での投資、とどちらが将来性があるのか?と考えると、少なくとも「ヘッジファンドはリスキー過ぎるから~」という事は客観的には言えないのではないでしょうか?
ちょいと強引ではありますが、「ヘッジファンド主軸のポートフォリオ」というのはむしろ大いにアリではないのか、と。
この意見に対し「おいおい、たくみ氏、狂った?」と言われる方もいるかもしれません。
が、10年後、、15年後か??
今この発言したら狂人扱いすらされかねないこの意見が主流になっている、、かもしれませんぜ。
エマージング市場を主軸に、という可能性
さて、そもそも分散とはどういう意味になりますでしょう?
まぁ、、一言で片付けると「主軸となる資産と相関性の低い資産を組み合わせる事によりリスクを減らす事」といって問題ないでしょう。如何にリスク軽減していくか?という事で、リターンを追求していく、と。
で、主軸となり得る市場においては前提として「右肩上がりになり得る市場」というのは間違いない事実でしょう。
この意味からいえば、エマージング市場だって十分主軸として考える価値はあるのではないか?とも思ったりします。
えぇ、、当然ズドン!という下落相場は先進国以上に大きいですけどね(笑)
韓国・タイなどの国別インデックスを見ると、寒気すら覚える大きな下落時期が1990年代に存在します。
これを知っている人は「アホ!!」と罵るくらいでしょう(笑)
ただ、「世界株式、先進国株式よりは可能性あるんじゃない?」と言えない事もないです。
なんてったって、「まだ開発余力が普通にある」訳ですから、ね。
まぁ、、当然ながら「短期でのポートフォリオ」向きではない事は%